八月も後半。
子供たちの夏休みも残り十日ほどになった。
近所の中学生達に会うたび
「宿題終わった?」
「まだー」
問題集に課題作文、読書感想文と自由研究…。
訊いてみるとその内容は、私が中学生だった頃と何も変わらない。
芸が無いなぁって思う。
今やコロナ禍で自由に動けず、猛暑で部活もストップ。
隣の家から、一人で留守番する子供の奇声が聞こえる。通信ゲームに興じているらしい。
そんな状況で、方程式を何十問も解いて何が楽しい。
正解が一つしかない英作文を書いて何が嬉しい。
インターネットを丸写しにした自由研究で心はどこへ飛べるのか。
たとえば、国を一つ選んで気持ちだけ旅してみるとか。
自分が暮らす地域の好きな場所を紹介するとか。無ければ、どんな場所がほしいのか。
面白かったこと日記。美味しかったもの、スポーツ、ゲーム、漫画、友だちと遊んだこと、好きな音楽…。
一日にスマホやゲームから離れる時間を作るとか。
体は窮屈でも、気持ちに余裕をあげたい。
退屈な時間に想像や妄想をして、空を見て風を感じて友達と笑って。
いつか、人の心を慮れるようになれたら。
誰かのために動ける人になれたら。
今の宿題ではこの国は伸びないよ。
なんて大袈裟なことを考えてみる夏休み。