not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

着かた、生きかた ( 地曳いく子 )

年齢が増えると、ある日突然、似合っていたはずの服が浮いてしまう。それは、私の場合、25歳のとき、35歳、45歳…と、一の位が5のときにやってくる。黒ばかり着ていた頃もあったし、カーキばかりの時もあった。白がどうやっても似合わない時もあれば、スカー…

あ・うん ( 向田邦子)

読みながら、ドラマの場面が見えてくる。この小説がそのまま脚本になりそうで、キャストを考えて楽しんだりする。実際、ドラマや映画になったようで、たみに田中裕子は適役だと思った。 自分が読んだ向田邦子の小説のどれにも共通しているのは、"黙す"という…

fallen angels (Bob Dylan)

ボブ・ディランの『fallen angels』を聴いていると、何故だか懐かしさを覚える。たとえば「Skylark」などは、1942年の曲。親の親の世代だろうか。それが、今も演奏され続け、歌い継がれているのだから素晴らしい。 ジャズスタンダードナンバーと呼ばれる曲は…

a love song (EGO-WRAPPIN')

朝、台所で『a love song』を聴きながら、じゅうぶん大人になった娘のお弁当を作る。 週末には、もう一人の娘家族がやってきて、大量の夕飯を作る。 時には地域のボランティアにも参加して、先輩女性のご指導を仰ぐ。 慣れない決め事に戸惑い、息子ほどの営…

色彩の息子 (山田詠美)

人生には、思うままにならないことがいっぱいあります。そして、それは悲しいことでなく、ありがたいことでもあるのです。自分の思うままになる世の中というのは、同時に、他人の思うままになる世の中でもあるわけですから、それが実現したらお互いは安心し…

lonestar (norah jones)

人は本来孤独だというけれど、さいきん感じるそれは、若い頃のものとは少し違っている。一人で何処にでも行けるし、ごはんも食べられる。一人で仕事もするし、買い物もするし、夕焼けも見る。 もちろん誰かとお喋りもして、食べたり飲んだり、笑い合う時間を…

ひとり暮らし(谷川俊太郎)

谷川俊太郎さんの詩は、素晴らしいのだろうけど、感性が衰えた私には難しい。でも、随筆はとても楽しい。 うんうん、なるほどと共感してみたり、へぇぇ、やっぱり詩人の視点は格別だなと感心してみたり。 生きる歓びについて、ひとり暮らしの弁、愛というも…

ボクたちはみんな大人になれなかった(燃え殻)

長い長い雨と曇りの日々を、案外平気で過ごしてきたはずだったけれど、こうやって久しぶりにお日さまを見たら、泣きそうになった。 私くらいの年齢になると、ちょっと鬱々すればお年頃だと揶揄されるから、いつもにこにこと笑顔を見せる。でも、娘だって鬱々…