not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

ミラーボールのお月さま

桑田佳祐のライブの知らせが届く。

『JAZZと歌謡曲シャンソンの夕べ』

いいかも、いいかも。

会場は、Blue Note Tokyoとクラブ月世界。

おー、待ってました。

ん?クラブ月世界て何処だろう。

検索してみると、神戸三宮のライブホール。

昭和のキャバレーだったお店らしい。

 

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キャバレーかあ。

私が物心ついた頃はまだ、近所にいくつかキャバレーがあった。母が小料理屋をしていた縁でそのキャバレーとお付き合いがあり、両親に連れられて何度か行ったことがある。

テレビの歌謡番組に出る歌手が来て、ディナーショーなどしていた。

私は、そんな場違いなソファに座ってぐるぐる回るミラーボールの光を追いかけたり、スポットライトのベールを纏ったロングドレスの女性に見惚れたりしていた。

 

母の話では、まだ保育園児だった私を連れてストリップショーにも行ったらしい。途中で私がいなくなっていることに気づき探していたら、ステージの横で一枚ずつ脱ぎ捨てられる服を拾っては畳んでいたそうだ。

 

桑田佳祐も、ご両親がクラブを経営されていたので、子供の頃からホステスさん達と交流していたと聞く。

私も母の店や、隣りのスナックや、向かいのバーのホステスさん達に仲良くしてもらった。当時は皆んな住み込みで働き、家族に仕送りもしていた。華やかに見える彼女達は、本当は質素に一生懸命生きていたのだ。

 

クラブ月世界のホームページにあるホールの写真に、当時の情景が鮮やかに蘇る。

お酒を飲んで、歌ったり踊ったり、笑ってはしゃいで酔いしれて。その裏にはたくさんの涙も辛抱もあったのだろうけど、あー、良い時代だったなんて。

朧げな記憶しかないのに、そんな想いに浸ってしまう。

 

そんなホールで、桑田さんは何の曲を歌うのだろう。きっと当選できないだろうけど、ライブの様子を想像するだけで、なんだかとても幸せ。

 

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