not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

2024-01-01から1年間の記事一覧

君にできることはボタン付けとそうじ

引越して以来、徒歩が増えた。 以前は車で出かけていたスーパーマーケット、パン屋、雑貨屋、ドラッグストアなどに歩いて行けるようになった。そんな生活環境の変化で、今まで要らなかったものが要るようになる。 その一つがアウターだ。 徒歩は数分でも想像…

花の雲

友人達から満開に咲く桜の写真が届くのに、越してきた住居からは一つも見えない。 六年前の今日は、見頃も終わって街中の桜はもう散り始めていた。 ポカポカ陽気と春風に舞う花びらの映像が、今もはっきりと思い出される。 いつもより遅い時間に病院に着いて…

海の見える風景(早川義夫)

実は未だ、一度も一人暮らしをしたことがない。 高校を卒業したら親元を離れようと、いや離れたいと考えていた。自由気ままな学生生活に憧れ、東京にある美大を受験することにした。 そのためのデッサン塾にも通い勉強もしていたけれど、母親の猛反対に遭い…

ミラーボールのお月さま

桑田佳祐のライブの知らせが届く。 『JAZZと歌謡曲とシャンソンの夕べ』 いいかも、いいかも。 会場は、Blue Note Tokyoとクラブ月世界。 おー、待ってました。 ん?クラブ月世界て何処だろう。 検索してみると、神戸三宮のライブホール。 昭和のキャバレー…

帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。(高山なおみ)

夢と現実が混ざり合う感覚。 雨の音、赤ん坊の声、タクシーの運転手、ピアノ曲、みどりいろの電気…。 それが幻想なのか実際に起きているのかわからなくなるような。光と影の合間をユラユラと揺れているような。そして、それを楽しんでいるような。 この本に…

guitar

二歳の男子と二人で昼を過ごす。 アンパンマンのギターを持って、私に歌を歌えとせがむので『TSUNAMI』を歌ったら、首を横に振り続ける。 仕方ないので『真夏の果実』を歌ってみると、諦めたような顔をしてギターの弦をポロポロと指で弾く。 おまえはバンド…

これがあたたかい食べものになりますよう

13年前の3.11、私はたまたま婦人科の待合室にいた。前の日、お風呂の中で乳房に塊を見つけて驚いた。スーッと血の気が引くような気持ち。 当時はまだ認知症の父が実家に一人で暮らしていて、身の回りのことは私が通いながら世話していた。だから余計に、自分…