2024-01-01から1年間の記事一覧
「メキシコのテキーラ、ありがとうございました。珍しくて、貴重なものを、いただいてしまって、恐縮しております。」 「きれいなばらの花と、ドレスどうもありがとうございました。」 「天下一品のアップルパイ。高価な蟹缶がどっさり。冬の貴重なチャボさ…
何年か前、仕事の悩みを美容師さんに話すと、凄く当たる占い師がいるから聞いてみればと言われたことがある。 占いは嫌いじゃないけどちょっと怖い。それは電話占いで、思い切ってお願いすると、 「あなたは感謝が足りないのよ。不平不満ばかり言ってちゃ駄…
何年前だったか、オレンジレンジの曲に 「うれしいなはじめて人にほめられた」 というフレーズがあった。 そうだ、褒められると嬉しいよね。 当時の仕事で、私はちゃんと皆を褒めているかしらと顧みる機会になった。 ササキアイさんが、雑貨と本gururiさんの…
人生の最後をどんなふうに迎えたいか。 そんなことを思う年齢になった。最後なんていつ来るのかわからないし、今日かもしれないし数十年先かもしれない。それでも何かの折に考えずにはいられない。 建築家の宮脇檀の本を初めて読んだのはもう随分前だった。…
「ひたむき」という言葉を思い出した。 こんなに何かに直向きになったことが自分にはあったかな。こんなに信じられるものに出会ったことがあったかな。 間違っていても、正しくても、自分の考えを疑わず曲げず。それでいて謙虚に、主張せず、ただ直向きに。 …
四年半ぶりに会った友人の近況話を聞いた。 お父さんが亡くなってすぐ、お義母さんが。 そんな話をする年齢になったんだね。私たち。 「で、貴女は何をしてるの?」 突然訊かれ 「え、何もしてない」 と、笑って応えた。 「何もしてないの?」 「うん、家事…
吉祥寺のひとり出版社、夏葉社。その名前を知ったのはSNS。そして代表の島田潤一郎さん。お名前を知ったのは地元の本屋で。 それから気がつけば、自分の小さな本棚に夏葉社の本が増えている。 『夏葉社日記』は、夏葉社でアルバイトをした秋峰善さんの日々の…
https://brutus.jp/moegara_akenaideyoru011/ 皆んなそれぞれ、日々を生きる上での避難場所を持っているのだろう。 逆を言えば、避難場所を持ってなければ生きられないだろう。 でも、避難場所が必要無い人も、この世にはいるのかもしれない。 たとえば、日…
もう五月。 早いなあ。 薄い青の空と、柔らかそうな雲。どこからか聞こえる鳥の囀り。風は少し涼しくて、これからあの蒸し蒸しの夏が来るなんて信じられない。 本棚を買った。 と言っても簡単な造りの小さなもの。木目の無い白。高さ106センチ。 それまでは…
引越して以来、徒歩が増えた。 以前は車で出かけていたスーパーマーケット、パン屋、雑貨屋、ドラッグストアなどに歩いて行けるようになった。そんな生活環境の変化で、今まで要らなかったものが要るようになる。 その一つがアウターだ。 徒歩は数分でも想像…
友人達から満開に咲く桜の写真が届くのに、越してきた住居からは一つも見えない。 六年前の今日は、見頃も終わって街中の桜はもう散り始めていた。 ポカポカ陽気と春風に舞う花びらの映像が、今もはっきりと思い出される。 いつもより遅い時間に病院に着いて…
実は未だ、一度も一人暮らしをしたことがない。 高校を卒業したら親元を離れようと、いや離れたいと考えていた。自由気ままな学生生活に憧れ、東京にある美大を受験することにした。 そのためのデッサン塾にも通い勉強もしていたけれど、母親の猛反対に遭い…
桑田佳祐のライブの知らせが届く。 『JAZZと歌謡曲とシャンソンの夕べ』 いいかも、いいかも。 会場は、Blue Note Tokyoとクラブ月世界。 おー、待ってました。 ん?クラブ月世界て何処だろう。 検索してみると、神戸三宮のライブホール。 昭和のキャバレー…
夢と現実が混ざり合う感覚。 雨の音、赤ん坊の声、タクシーの運転手、ピアノ曲、みどりいろの電気…。 それが幻想なのか実際に起きているのかわからなくなるような。光と影の合間をユラユラと揺れているような。そして、それを楽しんでいるような。 この本に…
二歳の男子と二人で昼を過ごす。 アンパンマンのギターを持って、私に歌を歌えとせがむので『TSUNAMI』を歌ったら、首を横に振り続ける。 仕方ないので『真夏の果実』を歌ってみると、諦めたような顔をしてギターの弦をポロポロと指で弾く。 おまえはバンド…
13年前の3.11、私はたまたま婦人科の待合室にいた。前の日、お風呂の中で乳房に塊を見つけて驚いた。スーッと血の気が引くような気持ち。 当時はまだ認知症の父が実家に一人で暮らしていて、身の回りのことは私が通いながら世話していた。だから余計に、自分…