not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

2020-01-01から1年間の記事一覧

相談の森(燃え殻)

誰でも、一度は悩み事を人に相談したことがあると思う。 そしてきっと、一度は人から相談されたこともあるはず。 私は相談されるのがとても苦手。 話を聞いたら、まずアタマが真っ白になる。 何を言ってあげれば良いのか思いつかない。 相談された自分の方が…

女ともだち(早川義夫)

2018年5月10日 「5/20(日)鎌倉歐林洞のライブを最後にしばらく休みます。再び歌い始めて25年ありがとうございました。」 という呟きを置いて、早川義夫さんは本当に姿を見せなくなってしまった。 何年前だったか、著書『たましいの場所』のあまりにも真っ…

美味しいパスタがあると聞いて(あいみょん)

世代が離れているアーティストの音楽は、なかなか聴く機会が無い。 聴こうとしないのか、聴いても響いてこないのか。 昨年だったか、あるブログで吉田拓郎のラジオ番組の記事を読んで、早速YouTubeでその番組を聞いてみた。 そこで吉田拓郎が、奥さんの森下…

薔薇色の鳥の本(石井ゆかり)

好きな本屋で見つけた古書。 開いたそれぞれのページに、短い文章が書かれてある。 言葉のこと。 感情のこと。 いろいろ。 買って帰って、時々、パッと開いて読む。 その時々の自分の気持ちや生活に、すーっと入ってきて、なるほどなぁ…とか、ほぉほぉ…とか…

すべて忘れてしまうから(燃え殻)

『僕たちはみんな大人になれなかった』以来、燃え殻さんの書いた物を、Twitterも含め出来るだけ読んできた。 でも、週刊スパには困った。最初は本屋で見つけられず、店員さんに尋ねて案内され、あれれーと思った。これは買って帰ると家族が驚くだろうから、…

かもめ食堂

右脚の筋肉を痛めて、歩くこともままならなくなった。 家事も出来ず、仕事も休んで、自分のベッドの上で足の置き所を探して悪戦苦闘する。 痛みが続くと気持ちも塞いでくる。 ふと思い立って、『かもめ食堂』の文庫本を開いた。 読了後は『かもめ食堂』の映…

ビューティフルマインド

『ビューティフルマインド』は、2001年のアメリカ映画。ノーベル経済学賞受賞の実在の天才数学者、ジョン・ナッシュの半生を描いた物語。 この映画を観たくなったきっかけは、知り合いの男の子の言葉だった。 彼は近所に住む小学五年生。 明るくて素直でいつ…

サザンオールスターズ 特別ライブ 2020 「Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~」

デビュー42周年。 桑田さんの顔を見て、あー年取ったなぁと思った。 それは他のメンバーも。 そして、もちろん自分自身も。 そんな40年も前には、サザンは私の住む地方の町にもライブに来ていた。 それを観に行った帰りに、駅の売店で楽しそうにお土産を選ぶ…

いつも旅のなか (角田光代)

お酒を飲まない私に、お酒を飲む人達は 「あなたは人生損してるよ」 と言う。 果物が苦手な私に、果物が大好物な人達は 「あなたは人生損してるよ」 と言う。 お酒を飲んでいる人達は楽しそうだし、果物を頬張る人達は幸せそうだけど、取り立ててそれが欲し…

娘心にブルースを (原由子)

『娘心にブルースを』を思い出させてくれた方があり、再読。再々読だっけかな。笑 著者は言わずと知れたサザンオールスターズのメンバーであり、桑田佳祐の奥さん。 そんな彼女が1998年の四十一歳の時に書いたエッセイ。 "天婦羅屋の娘"から"生まれ変わった…

フランス日記 (高山なおみ)

何年前だったか。 雑誌で初めて見つけた高山なおみさんの料理は、素材の色も味もそのまま生かされていてとても気に入った。 使われている器がまた好みで、著書を探した。 レシピだけでなく、エッセイを織り交ぜた『日々ごはん』には、飾らない日常が綴られて…

わたしの三面鏡 (沢村貞子)

世の中がザワザワと落ち着かない。 それはそうだ、生命に関わるたいへんな状況がジワジワと、そして急激に私たちに降りかかっているのだから。 じっと息を潜めているけれど、それでも私達は何にも関わらず生きることは出来ない。 家族、友達、ご近所、仕事、…

Hidden Figures(邦題『ドリーム』)

年が明けたとき、自分の今年の抱負を 「背中を伸ばして前を向く」 に決めた。 ことを、この映画を観て思い出した。 『Hidden Figures』は、邦題『ドリーム』として2017年に公開されている。 舞台は1962年のアメリカ。 初の有人宇宙飛行を成功させるため、NAS…

日日是好日

原作を読んだので、映画も観た。 気に入った作品を、本と映画の両方で楽しめるのは嬉しい。 それにしても、文字を映像にするのは楽しくもあり難しくもあるのだろうと感じる。 この映画にオファーされた樹木希林さんは、 「とてもたいへんな作品を選んだわね…

レコードと暮らし(田口史人)

二年前の春、父が逝去して実家を片付けた。 父の持ち物の大半は、本とオーディオとレコードだった。 それぞれをそれぞれの買取り店に持ち込んだ。 レコードは全部で200枚くらいあったと思う。その時、初めて中古盤専門店へ足を踏み入れた。 店の中は、迷路の…