not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

2017-01-01から1年間の記事一覧

向田邦子の恋文 (向田和子)

ようやくの平日休み。出かける前にちょっと紅茶を飲んで、前日買った文庫を開けて…気がつくと最後まで読んでしまった。 こんな内容とは知らずに買ったのもあり、本を閉じてなんとも言えない気持ちになる。個人的な感想を言えば、これは公表して欲しくなかっ…

45 STONES (斉藤和義)

斉藤和義のアルバム『45STONES』のdisc2が好きで、よく聴いている。 そのうち、弾き語りの10曲は、東日本大震災支援USTREAMチャリティライブ「空には星が綺麗」の音源だそうだ。自分の好きな曲が連なっているし、何より、熱い気持ちが伝わる。 中でも、「ず…

Blue Bayou ( Linda Ronstadt )

先日、初めて入った雑貨屋で、リンダ・ロンシュタットのアルバムが流れていた。 思わず、スタッフさん達の顔を見渡してしまったけれど、みんな若い。BGMアプリなのか誰かの選曲なのかわからないけれど、ちょっと嬉しくなった。 そういう自分も、このアルバム…

Jupiter (平原綾香)

Every day I listen to my heart 一人じゃない… 夜、時間が空いたので、桑田佳祐の『ひとり紅白』DVDを観る。懐かしい曲がたくさんで、なんとなく気持ちが和む。 中でも『Jupiter』は秀逸。このDVDで聴いて、改めてその曲の良さが沁みた。 そして、平原綾香…

九十歳。何がめでたい ( 佐藤愛子)

久しぶりに本屋へ寄った。 入り口近くに、ベストセラーがディスプレイされていて、佐藤愛子さんの『九十歳。何がめでたい』がランキング一位になっていた。 私がこの本を読んだのは、今年の二月。八十七歳の姑が、入院している時だった。 病室の窓からは、大…

四度目の浪花節 ( 川上弘美 )

友人がヘアカラーを止めた。バッサリショートにして、頭の半量ほどが白い。髪の流れに白波が映えて、もともと個性的なセンスを持つ彼女にとても似合う。相当おしゃれなのだ。 良いかも。 気になっていたとき、雑誌にそんな特集を見つけた。さっそく美容院に…

ライブツアー がらくた( 桑田佳祐 )

父の入院中、叔父が急逝した。 母と叔母が姉妹なので、父と叔父に血縁は無いけれど、二人は元々同級生の友人同士。 父の肺炎は増悪傾向。まさか、二人で逝くのかと、ちょっと驚いた。 仕事もちょうど多い時で、良くないことは重なる。 それでも、合間を縫っ…

人生の贈り物 ( 森瑤子)

森瑤子さんが、五十二年間の短い人生を駆け抜け天に召されて、二十四年になる。絶版となった『人生の贈り物』を、時々開いて読んでみる。彼女が旅先で出会い心惹かれて手に入れた三十三の愛用品が、写真とエピソードで紹介されている。どれもため息が出るほ…

頭に来てもアホとは戦うな!( 田村耕太郎)

本屋でこのタイトルを見つけ、仕事の人間関係で悩んでいる娘に教えようと思った。その娘が、家に帰るなりこの本を話題にした。それならばと、後日、本屋に寄り買って帰った。 著者の田村耕太郎は、日本戦略情報支援機構代表取締役。前回参議院議員で、内閣府…

めくれたオレンジ( 東京スカパラダイスオーケストラ)

午後7時過ぎ、横浜に向かう電車は満員。もう入れないだろう車両に、どんどん人が飛び込んでくる。四角い箱にぎゅうぎゅうに詰め込まれた人間が、同じリズムで揺れる。右後ろから、頭も脇も脚まで誰かの体がくっ付いている。人と人ってこんなにピッタリ重なる…

たましいの場所 ( 早川義夫 )

何年も前、好きなブログに紹介されていたので本屋に探しに行った。斉藤和義の絶賛帯が巻かれていて、よけいに読みたくなった。それからずっと寝室に置いている。私は人の言動にすぐグルグル巻きになるので、そんな日はこの本を開く。 本当のお金持ちは「僕は…

マザーウォーター

オフの日は、たまにDVDを観る。『マザーウォーター』は、『かもめ食堂』『めがね』『プール』…などのシリーズ。このゆっくり感に慣れない頃は、観ながら、次の台詞を待ったり次の動作を急いたりしていたけれど、もうそれも無くなった。上手いのだけど下手な…

くじけないで( 柴田トヨ )

この本に出逢ったのは、父を初めて連れて行ったデイサービスの部屋。七年前、父が七十二歳のとき、母を亡くしたショックから気持ちが病んでしまった。まず、お風呂に入らなくなった。人は本当にこんなに汚れるんだと感じた。どんなに頼んでも泣いても、入っ…

杜鵑草( 桑田佳祐 )

タイトルのホトトギスは、鳥ではなく草の名前だそうだ。 最近は、道ならぬ恋を見つけると叩き出して市中引き回しの刑にする風潮がある。皆んなで目くじらを立てて責め上げる。確かにいけないことではあるけれど、既婚でも未婚でも、ベッドを共にするのは「か…

着かた、生きかた ( 地曳いく子 )

年齢が増えると、ある日突然、似合っていたはずの服が浮いてしまう。それは、私の場合、25歳のとき、35歳、45歳…と、一の位が5のときにやってくる。黒ばかり着ていた頃もあったし、カーキばかりの時もあった。白がどうやっても似合わない時もあれば、スカー…

あ・うん ( 向田邦子)

読みながら、ドラマの場面が見えてくる。この小説がそのまま脚本になりそうで、キャストを考えて楽しんだりする。実際、ドラマや映画になったようで、たみに田中裕子は適役だと思った。 自分が読んだ向田邦子の小説のどれにも共通しているのは、"黙す"という…

fallen angels (Bob Dylan)

ボブ・ディランの『fallen angels』を聴いていると、何故だか懐かしさを覚える。たとえば「Skylark」などは、1942年の曲。親の親の世代だろうか。それが、今も演奏され続け、歌い継がれているのだから素晴らしい。 ジャズスタンダードナンバーと呼ばれる曲は…

a love song (EGO-WRAPPIN')

朝、台所で『a love song』を聴きながら、じゅうぶん大人になった娘のお弁当を作る。 週末には、もう一人の娘家族がやってきて、大量の夕飯を作る。 時には地域のボランティアにも参加して、先輩女性のご指導を仰ぐ。 慣れない決め事に戸惑い、息子ほどの営…

色彩の息子 (山田詠美)

人生には、思うままにならないことがいっぱいあります。そして、それは悲しいことでなく、ありがたいことでもあるのです。自分の思うままになる世の中というのは、同時に、他人の思うままになる世の中でもあるわけですから、それが実現したらお互いは安心し…

lonestar (norah jones)

人は本来孤独だというけれど、さいきん感じるそれは、若い頃のものとは少し違っている。一人で何処にでも行けるし、ごはんも食べられる。一人で仕事もするし、買い物もするし、夕焼けも見る。 もちろん誰かとお喋りもして、食べたり飲んだり、笑い合う時間を…

ひとり暮らし(谷川俊太郎)

谷川俊太郎さんの詩は、素晴らしいのだろうけど、感性が衰えた私には難しい。でも、随筆はとても楽しい。 うんうん、なるほどと共感してみたり、へぇぇ、やっぱり詩人の視点は格別だなと感心してみたり。 生きる歓びについて、ひとり暮らしの弁、愛というも…

ボクたちはみんな大人になれなかった(燃え殻)

長い長い雨と曇りの日々を、案外平気で過ごしてきたはずだったけれど、こうやって久しぶりにお日さまを見たら、泣きそうになった。 私くらいの年齢になると、ちょっと鬱々すればお年頃だと揶揄されるから、いつもにこにこと笑顔を見せる。でも、娘だって鬱々…