新しい町を、毎日少しずつ歩いている。
本屋、雑貨屋、パン屋…。気になる店を見つけるとすぐ入るのでウォーキングというより散歩。
先日は夕刻に思い付き、クリーニング屋まで歩いた。18時半くらいだった。
自転車や徒歩の小中学生とたくさんすれ違う。
皆んな何処に行ってるのかな。顔を上げて周りを見渡せば、その通りは学習塾が目白押し。
そうか。きっと、殆どの子達が学校を終えたら塾なんだね。
「うちの子、ちゃんと塾に行ってるのにテストの点数が上がらないのよねえ」
「あの塾の先生と相性が合わないのかな」
すれ違う子ども一人ひとりの顔をつい見てしまう。顔というより表情を。
学校で授業を受けて部活をしてヘトヘトになっても塾に行く。たいへんだなあと心の中でお疲れさまを言う。
中には塾が楽しみな子もいる。
「新しいことをどんどん教えてもらえてとてもおもしろい」
「勉強は好きじゃないけど友だちに会えるから楽しい」
理由はいろいろだけど楽しく通えるのは何よりだ。
嫌ではないけれど塾に行くのが面倒な日もある。そりゃそうだ。下校したら家でのんびりオヤツを食べたりスマホを見たりしたい。大人と同じ。仕事から帰ってまた仕事したい人はあまり見たことがない。
塾が嫌でイヤで仕方ない子もいる。何か酷いことを言われたり劣等感に苛まれたり。そうじゃなくて、ただ、めんどくさい。暑いから。寒いから。眠たいから。
確かに塾の雰囲気や先生との相性もある。
それはちゃんと見極めた方が良い。
でもね。
その子はどんな顔してるの。
楽しみなの当たり前なのつらいのめんどくさいの。何になりたいの。どんな人になりたいの。
誰だって良い点数を取りたい。100点を取って、やったー!と喜んで、お家の人にもすごい!と褒められたい。だから塾に行く。でも皆んなが思い通りになれるはずはない。
サッカーをどれだけ練習しても上手くなれない人もいる。本をどれだけ読んでも作家になれるわけじゃない。
それぞれの「良くなりたい」という良心を信じてあげたい。
「人は必ず誰かの役に立つように出来ている。
ただ、この子は勉強では役に立たないだけだ。」
肝に銘じてください。我が子は何で役立つのか一緒に考えてあげてほしい。
大丈夫。彼も彼女もこんなに良い子。