年末年始は、皆の笑い声やお喋りをBGMに、ただただ動いてやるべきことをする。
私も皆とのんびり遊んでいたいけど、なかなかそうはいかない。
今年はいつになく、不穏な出来事もあり、気持ちに少し傷が出来た。
そんなお正月三が日が終わり、ようやく一人になった日、好きなカフェと本屋をハシゴ。
やっぱり、ひとりで好きな空間にいるのが幸せ。
本屋で古書を見ていたら、原田マハの『でーれーガールズ』があった。
ずいぶん前から気になっていたのにまだ読んでいなかったので、すぐ手に取った。
家に帰って、一人ソファに座って読む。
あーなつかしい高校時代。
空を見上げて、風が吹いて、いろんなことに憧れて、ワルいこともやってみて、悩んで、ふざけて、笑っていた頃。
あの橋の上で、あのスクールバスの中で、あの喫茶店で、あの人のバイクで。
今思えば、"恋ごっこ"や"夢ごっこ"をしていたんだなぁと思う。
付き合った人もいたけど、付き合ってみたかっただけ。
小学生の時からデザイナーになりたくて、高校三年には美大受験のデッサンや色彩構成を習いに塾へも通ったけれど、デザイナーにはなっていない。
すべて夢の中だったような気がする。
『でーれーガールズ』とは高校は違えど、よく似た女子校環境。
大人になって思い出すあの刹那いかおりは、皆んな同じなのかもと感じた。
そして、あまり好きではなかった方言が、かわいくて愛おしくなった。
自分の故郷も悪くはないと、何処ともない空を見上げてみる。