一年に四回ほど行く洋服屋で秋物を買った。
娘くらいの歳の店員さんが見送ってくれる。
実はわたし、今月いっぱいで此処を退職するんですと言う。今までの経験を活かせる新しい仕事を見つけたいそうだ。そして、今まで優しくしてくださってありがとうございましたと頭を下げてくれた。
私は彼女に優しくした覚えがない。
自分のことをメンドくさい客だと思っていたので、ちょっと驚いた。
また何処かで会ったら声をかけてくださいと言ったら、私みたいなもので良ければと応えてくれる。
人を優しいと思えるのは、彼女の心が優しいからだ。
以前、何かの本で
「最近、下品な人が増えたねと言う人は自分が下品なのです。」
と書いてあったことを思い出した。
優しい人は、他人の優しさばかりが見えるのかもしれない。
意地悪な人は、他人の意地悪ばかりに気付くのだろう。
先日、娘に
「お母さんは、人と話すとき、目が笑ってないから誤解されるのよ」
と、指摘された。
自覚が無かったけれど、確かに、相手の愛想が無いなぁと感じることがある。それは自分に笑顔が無かったからかもしれない。
それから、意識して話してみると気持ち良い会話が出来ることがわかった。
誕生日が近づいたある日、仕事場で可愛い女子達からお祝いの色紙をいただいた。
自分は彼女達からあまり好かれてないだろうと予想していたので、また驚いた。
貴女達の心がきっと綺麗なんだね。
ありがとうございます。
ふだん自分はどんな顔をして仕事してるんだろう。
日々の在り方も、もう一度見直してみようかな。