タイトルに惹かれて買ってみた。
みうらじゅんとクドカンを読んだ後だし、スルスルと読めそうなものを選んだつもりだった。
でも、実際読んでみると、とても真摯な本だった。
文庫のあとがきに
「たんたんと書くことでしか放出できぬ憤りがあったのだろう。久しぶりにエッセイを読み返し、そう思った。」
著者ご本人が、そう書いてある。
母になる人生とならない人生を、思い惑う時期ということは、読みながらひしひしと感じられた。
その惑いは、母になった私には計り知れない。 ただ、母になったから私は女なんだと自覚したことは一度もない。
しかも、私くらいの年齢になると、男も女も超えられる。「人」になる。何を持っているかじゃなく、どんな佇まいか。それだけだ。
生理があるから、乳房が有るからから、子宮が在るから、化粧をするから、美人だから、モテるから女じゃない。
意地悪で、お節介で、嫉妬深くて、自信が無くて。
柔らかくて、あったかくて、強くてかわいくて。
そんな、それぞれの「女」で居れば良いんじゃないかな。