not too late

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着かた、生きかた ( 地曳いく子 )

年齢が増えると、ある日突然、似合っていたはずの服が浮いてしまう。
それは、私の場合、25歳のとき、35歳、45歳…と、一の位が5のときにやってくる。
黒ばかり着ていた頃もあったし、カーキばかりの時もあった。白がどうやっても似合わない時もあれば、スカートがどうにもしっくりこない歳もあった。

洋服のセンスは無いけれど、ただ一つ気をつけていることは「若く見せない」ということ。"若いですね"と言われるより、出来ることなら"良い雰囲気ですね"と言われてみたい。

地曳いく子さんの『着かた、生きかた』は、そんなことを感じ始めた女性に好い。

着方は生き方。そして、巻末にちょこっと付け加えられている人生相談コーナーも面白かった。
二十代後半女性からの
「誰と付き合ってもうまくいきません。自分に合う人に本当に出会えるでしょうか」
という相談に、地曳さんの応えは
「合う人なんていません。男は全員ハズレです」
これを聞けば男性達は怒りそうだけど
「相手を選ぶことを止めて、許すという気持ちを持ってください」

相手だけがハズレじゃない、自分だって相手にとってはハズレ。

どこまで許せるか許し合えるか。
それって大事だなぁと、読みながら感じる。

歳を取ると、顔も崩れるし体も緩む。

でも、心も緩むから、許し合う恋が出来るようになる。

着かた、生きかた、愛しかた。
人生の折々に、見直すのもまた愉しい。

 

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