本屋の中を歩いていると、樹木希林さんの言葉を集めたものが出ていた。
先日お亡くなりになったのに、早いなぁと思う。
いろんなメディアが彼女の言葉を取り上げ、それは様々な人たちの胸を打ち夫々の人生を顧みるきっかけとなった。
私は意地悪なのだろう。亡くなった後で出版される本というのは、あまりしっくりこない。それでも、
「これは、買っちゃうでしょう」
即、手に取ってしまった。
統計なんていうのは、わたしは全然信じてないの。人気投票とかああいうのに時どき出たりするんですけど、噴いちゃうんですよ。ああ、もう個としての魅力がだめになったなあと思って。
私がこういう取材を受けるメリットはどこにあるの?あなた方のメリットはわかるの。えっ、私の話で救われる人がいるって?それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ。
誰でも、だんだんと生きる時間が短くなる。
できるだけ、柔らかな時間を持ちたくなる。
それでも、自分の意思を通しておきたくなる。
立春も過ぎて、花の気配を探し始める頃、雪が降る。
それは例年のことなのに、毎年忘れてしまって、目覚めの雪景色に見惚れる。
こうやって、忘れたり思い出したりしながら日々は重なっていくのだろう。
そうしてある日、プチンと消える。
物はいらないから、自己満足のカッコ良さで歩けると嬉しい。
そしてそれを黙って出来るのが、いちばんカッコいいね。