本屋の平置きで目にしたタイトル。アイネクライネナハトムジークって、曲名だよねぇ…モーツァルトだったか。でも、斉藤和義にもアイネクライネという曲がある。
あとがきを読んで、この小説は、伊坂幸太郎が斉藤和義のファンであることが執筆のきっかけと書かれていた。
ファンであることを知った斉藤和義から、「出会いにあたる曲の歌詞を書いてくれないか」とオファーがあったそうだ。
伊坂幸太郎は、歌詞は書けないけれど小説ならと受けて、いわゆる"恋愛もの"にあまり興味が無かったので必死に考えたとか。
そんなエピソードもまた「出会い」だなと、読みながら感じた。
この本には短編が6つある。それぞれの主人公が、他の物語にも登場する。
あ、あの人ここに出てる。
そうか、ここで繋がっていたんだ。
あーこの人、あの時の。
それらはすべて、「出会い」であり「きっかけ」になる。
私達も、意外にたくさんの人達と関わっている。
その出会いをどれくらい重要視するかはそれぞれだけど、その人がまた誰かと繋がり、誰かがまた別の人と繋がる。
ちょっとした関わりで、生きる勇気をもらったり、小さな安らぎを感じたり。
嫌な気持ちにさせられたり、傷ついたり、奮い立たせられたり。
人と人との関わりは、おもしろい。
この小説を読んだ後、友人達や仕事の相手にも、なんとなく由縁を見つけたくなる。
伊坂幸太郎を読んだのは初めて。恋愛ものも、たまには書いてください。