春が少しずつ近づくと、なんだかスピッツが聴きたくなる。
『春の歌』や『チェリー』はもちろん、『ロビンソン』『渚』…
『青い車』『ホタル』『水色の街』…それぞれの曲に季節があって、想い出がある。
そして、最近、よく口遊む『みなと』。
もう会えなくなった君に会いたくて、今日も港に佇み歌を唄う。
とてもせつないけれど、少し前を向ける曲。
「胃瘻はしますかしませんか」
「経鼻栄養を付けますか付けませんか」
「中心静脈点滴はしますかしませんか」
「輸血をしますかしませんか」
ここ四ヶ月ほど、そんな選択を次から次へと余儀なくされて、アタマがいっぱいいっぱいになってしまう。それでも、父はニコッと笑う。
勇気が出ない時もあり そして僕は港にいる
消えそうな綿雲の意味を考える…
きっと、今生きている大半の人が、大切な人を失っている。
自分もいつか消えていく日まで、出来るならたくさん笑って過ごしたいね。