朝が少し涼しくなった。
もう九月の中旬で、今年も残り四ヶ月も無い。
歳が増えると、気持ちと体がなかなか比例しない。
集中力が落ちたり、気力が湧かなかったりする時がある。
娘の話に返事をしたのに、覚えていなくて叱られる。
「お母さん、聞こうとしないからよ。意識の問題よ」
なんて、半分苛立ちと半分心配なのだろう。
でもね…
それが少し違うのよ。
言葉では説明出来ない、自分ではどうしようもないことがある。
母がそんなことを言ってたなと、思い出す。
病名が付くほどじゃないんだけど、治療しても治らない痛み。
時間がお薬と言われる不調。
悪気は無いんだけど、サッサと動かないからだ。
眼鏡をかけなきゃ、すぐに見えない文字や写真。
連休明け。
秋を感じたら、ジョニ・ミッチェルのアルバムを出す。
澄んだギターと伸びやかな歌声は、滔々と流れる川や、ゆったりと浮かぶ雲、冷んやりとからだを触る風に似ている。
気持ちが広がって、呼吸が深くなる。
肌を磨いて、足の爪を秋色に塗る。
もうすぐ私の誕生日。そして、母の命日。
残りの人生を数えながら、まだまだ好きなことを探さなきゃ。