『僕たちはみんな大人になれなかった』以来、燃え殻さんの書いた物を、Twitterも含め出来るだけ読んできた。
でも、週刊スパには困った。
最初は本屋で見つけられず、店員さんに尋ねて案内され、あれれーと思った。
これは買って帰ると家族が驚くだろうから、申し訳ないけれど立ち読みする男性達に混じり、小さい女が余計に小さくなって読んだ。
それから後、スパが出る度に本屋を巡る。
袋綴じになっていたり、早々に売り切れていたり、なかなか読めない。
読めないのにまた次週がきて慌てて探し歩く。
もう刊行についていけなくなってしまい、殆ど諦めてしまう。
そんな泣き言をTwitterに独言た日、思いがけず燃え殻さんからプレゼントが届いた。
#031「今夜は、笑い話かエロ話だけにしましょう」のページ画像を送ってくださったのだ。
こんなことってあるだろうか。
優しいとか、良い人とか、そんな単純なことではない。
燃え殻さんは今やベストセラー作家でもあるのに、見知らぬフォロワーに自分の作品をいとも簡単に読ませてくれる。
『すべて忘れてしまうから』の中にいるままの人だなぁって、ありがたかったし、あたたかかった。
隠れたロッカーの中で
「ここではないどこかに連れてってください」
と、八百万の神に真剣に念じたり
クリスマスイブにリンリンハウスで
「はい、似てます」
と、返事をしたり
いろいろなときの燃え殻さんが、今も変わらず文章を書いてTwitterで呟く。
いつか本になることを期待して待っていた。
だから、発売日にすぐ本屋に行ったら地方だからまだ置いてなかった。
Amazonは売り切れのタイミングだった。
やっぱり私はいつも出遅れる。
あちらこちら探して手元に届いたときは嬉しかった。
長く生きていると思い出なんて何でもよくなる。
だって、すべて忘れてしまうから。
忘れても変わらないものを抱いている人。
其処が好きなんだね、きっと。