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音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

ビューティフルマインド

『ビューティフルマインド』は、2001年のアメリカ映画。ノーベル経済学賞受賞の実在の天才数学者、ジョン・ナッシュの半生を描いた物語。

 

この映画を観たくなったきっかけは、知り合いの男の子の言葉だった。

彼は近所に住む小学五年生。

明るくて素直でいつも楽しそうに歩いている。

そんな彼と私はよく話をする。

「僕はどうしてかわからないけど、字を覚えられないんだ。算数しかできないの。算数は全部わかるよ。それで高校に行ける?」

 

彼は時々、本を貸してくれる。

小学生版の伝記を持ってきて

「はい、宿題ね」

と笑う。

宿題を出されて三日後、

「ごめんね、忙しくてまだ途中までしか読めてないの」

と言うと

「忙しいならいいよ。忘れられてたら悲しいけどね」

なんて、戯けて答えてくれる。

 

字が覚えられないのは、お母さんが言うのに本当らしい。病院で、その病名ももらっている。

じゃあ、なぜ、本が好きなの?

「僕は、本を字で読まないからだよ」

と、ニコニコしている。

 

この子は、もしかすると天才なんじゃないかしらと思ったりする。

だから、『ビューティフルマインド』を観たくなった。

 

ただ、この映画は、彼のような天真爛漫な笑顔じゃなく、天才ならではの苦悩が描かれていた。

天才って、たいへんなんだなと感じた。

 

本読みの宿題を終えて彼に返すと、また新しい宿題の本を貸してくれた。

漢字テストで、いつも3点しか取れないんだよと教えてくれる。

私が笑いながら話を聞いていたら、

「それ以上馬鹿にしないで」

と、にっこり微笑んだ。

 

才能ある彼は、これからどんな人生を切り拓くのだろう。

ノーベル賞を受賞したりするのかしら。

いろんな苦難はあると思うけど、彼のビューティフルマインドがずっと消えないことを心から願っている。

 

 

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