not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

わたしの三面鏡 (沢村貞子)

世の中がザワザワと落ち着かない。

それはそうだ、生命に関わるたいへんな状況がジワジワと、そして急激に私たちに降りかかっているのだから。

じっと息を潜めているけれど、それでも私達は何にも関わらず生きることは出来ない。

家族、友達、ご近所、仕事、お世話になっている方達、皆んなと連絡を取り合う。

 

情報もたくさん、雪崩のように、渦潮のように、降りかかる。

いろいろな噂、それぞれの説、次々と変化する策、悲しいニュース、心安らぐ画像…

惑わされないように、落ち着いていたいね。

 

そんな中で、やはり、音楽と本は優しい。

空と、植物と、鳥の鳴き声、花の色にも気持ちが落ち着く。

 

ここ二日ほど、沢村貞子さんの『わたしの三面鏡』を再読していた。

七十を過ぎ、女優として、女として、人としての素直な心持ちを書いてある。

シワが増えて、体の動きが鈍って、アタマも緩くなって。

それに対抗したり受け入れたりしながら、人は最期を迎える。

 

「老女の甘ったれには、なりたくない」

 

老いは寂しいのだって、そう、父もいつも、どこにいても寂しいと漏らしていた。

私もいつか、そんな実感を持つ時が来るのだろう。

その時、甘ったれにならないよう気をつけたい。

 

生きていればいろんな経験をするね。

皆さまも、どうぞ無事でありますよう。

 

 

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