原作を読んだので、映画も観た。
気に入った作品を、本と映画の両方で楽しめるのは嬉しい。
それにしても、文字を映像にするのは楽しくもあり難しくもあるのだろうと感じる。
この映画にオファーされた樹木希林さんは、
「とてもたいへんな作品を選んだわね」
というようなお返事をしたと聞く。
一人の女性がお茶を習い、そのお稽古から様々なことを学ぶ。
その様々なことは、茶道の所作だけではない。
掛け軸、茶器、着物、水、雨、音、光、空気…
それらを映像にするのは、なかなかたいへんだろうと思う。
それでも、本からも映画からも、感じ学べるものは同じ。
雨の日は雨を聞く。
私は此処に尽きるような気がする。
人生は、誰も思うようにはならない。
泣きたいときは泣いて、苦しいときは休んで、休めないときは苦しんで、空を見上げて、風を感じて、花を見つめて、人を想って。
雨の日には雨を聞く。
個人的には、先生が縁側でコーヒーを淹れる場面が好き。
先生にだって、心の中に仕舞っていることがあるのだものね。