最近、めっきり忘れ物が増えた。
ここ一月半ほど、いつもと違う生活をしているので余計かもしれない。
どんなに確認しても、見直しても、落ち着いてみても、一日に必ず一つ忘れ物をする。
気をつければ気をつけるほど、ああまた忘れたと落ち込む。
落ち込んでいると、娘に
「お母さん、次のことばかり考えてるでしょ」
と、言われてハッとする。
そうだ。何かをやりながら、これが終わったらあれをしようと考えている。あれをやっていたら、それも目に入ってそれをして、あれを途中止めしていたことに気づく。
あれこれそれ、あれこれそれ、とくるくる回っている。
そんな合間に、友人が一冊の文庫本を薦めてくれた。
とても面白くて一日で読めたよと聞いて、借りて帰った。
著者がお茶を習い始めて、長い年月の中で得たもの。得ようと思わず得ていたこと。
一期一会ということ。
今を味わうということ。
雨の日は雨を聴くこと。
本物の自由。沈黙の熱さ。学び。気付き。育てるということ。
なるほどなぁ…
読みながら、
「少し立ち止まってみれば?」
と、そっと声をかけられたような気がした。
なかなか落ち着けないけれど、この本に出合ったことも一期一会。
生きるって、濃いね。