友達4人で食事をしていたら、一人が最近またブルーハーツを聴いてると言う。
朝の出勤時の車の中は大音量よ、と笑う。
えー。彼女がブルーハーツを聴くとは知らなかった。嬉しい。
他の二人は、キョトンとしている。ブルーハーツを知らないのだって。これもまた、えー。となる。
よく聴いていたのは子育てをしていた頃。
親の病気も重なり、日々に追われ、時間を追いかけ、人の言葉にぐるぐると回って。
帰り道はいつも、甲本ヒロトの歌声を聴きながら運転していた。
気が狂いそう やさしい歌が好きで…
情熱の真っ赤な薔薇を胸に咲かせよう…
本当ならば今ごろボクのベッドにはあなたがあなたがあなたが居てほしい…
帰り道に橋を渡るとき、空に大きな鳥が悠々と飛ぶ。
その鳥たちが、セカセカと暮らす自分を嗤っているように感じた。
わたしもいつかあんな風に自由に飛べるかしらなんて見上げていたけど、今になって分かるのは、何を突破するのも、何を粉砕するのも乗り越えるのも、自分の気持ち次第だったんだね。
友人と一頻りお喋りをして家に戻り、久しぶりにアルバムを出した。
今だって、聴けば寄り添ってくれる。
ガンバレって言ってくれる。
やさしくされて、わたしも少し、やさしくなれたら良いのだけれど。