not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

120%COOOL (山田詠美)

休日の朝、一人で山田詠美の『120%COOOL』を読む。

止まず湧き出てくる美しい言葉にため息が漏れる。

 

お昼は友人に誘われてランチ。

経済や歴史を好きな彼女が、最近読んだ本の話を聞かせてくれる。

「貴女は最近何を読んでるの」

と訊かれて、120%COOOLと答えたら、私も読んでみようと言っていた。

 

実際に彼女がこれを読んだらどんな感想を持つだろう。

よく分からなかったとか、貴女らしいと笑うかもしれない。

もし、彼女が目を輝かせて

「素敵だった」

と言ったら、私は今以上に彼女と近づける気がする。

 

思いが交錯し、重なり合うひと時が、いったい誰に証明出来るだろう。それらはすべて甘い錯覚ではないのか、と私は思うのだ。二人の違う肉体を持った者同士が、ひとつになれるわけなどないように思える。

共有出来るものがあるとしたなら、二人で過ごす時間。それのみにつきるだろう。

 

今、在ること。

今、有るもの。

今、居る場所。

 

ストーリーを読むのではなく、ベッドの上を読む。

欲情も劣情も書きながら、決して下卑ず浮つかず、人生の機微まで教えてくれる。

この短編集自体が、120%COOOL。

 

 

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