not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

必要な言葉 ( 谷川俊太郎 )

四年ほど前、本屋で読みたい本が探せなくなっていた。

探せないというか、見つけられない。

何かは読みたいのに、どれを見ても買って帰ろうと思えない。

家にも、読んでいない本がいくつかあるので、それを開いてみるのだけど、どうも興味がわかない。

 

そして三年ほど前、父が施設に入居した後、実家の蔵書を買い取ってもらった近所の小さな本屋さんに、読みたい本がいくつも見つかって嬉しかった。

 

その時、四冊買って家に戻り、改めて見るとその中に小説が一冊も無い。エッセイや写真集、詩集、料理本…。

そうか、小説が読めなくなってるのかも。

 

谷川俊太郎さんの『必要な言葉』に

「このごろ、小説の言葉がぼくには不要になりつつある。」

と書かれていたのを思い出す。

「面白いけどいまこういう言葉は必要じゃないと感じてしまう。年取って人生の基本が腑に落ちてくると、細部がどうでもよくなってくるのかもしれない。」

 

人生の基本が腑に落ちたかどうかはわからないけれど、小説の世界に入り込めないのはちょっと寂しい気もする。

 

そんなうち、最近また小説が読めるようになってきた。

どういう心境の変化なのかはわからない。

谷川俊太郎さんは、今、どんな本を読んでいらっしゃるのだろう。

ちょっと気になったりしている。

 

 

 

f:id:marico1209:20180805102105j:plain