みうらじゅんの著書は、『どうして人はキスしたくなるんだろう⁈』以来二冊目。
これは、エロエロに関するエッセイで、一つひとつの始まりに
「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」
という前置きがあり、そこから話が広がる。
たぶん、人は皆こころの中にエロエロを持っているのだと思う。
積極的であったり消極的であったりは、人それぞれだろうけど。
そして、それを大っぴらに話す人と、決して話さない人もそれぞれ。
何にしても、この本ほど、普通にエロエロ話をすればいやらしくなくて、ただ笑える。そして、いやらしいだけじゃないのが、著者の良いところ。
あからさまなんだけど、純情であったり、奥ゆかしさを感じてしまう。
難しいことを考えなきゃいけない時、ちょっと息抜きするのに良い。
大学四年の時、卒業論文の教授は五十代の男性で、研究ただひと筋の人だった。
書いて持って行って読んでもらい、アドバイスを聞いてまた書き直す。それを何度も何度も繰り返して、なんとか完成した日。「私の助手になりませんか」と言われた。
まったく知識の無い私は、教授に反論もせず言われた通り一生懸命書いていたからかもしれない。
「途中で研究をやめてもらっては困ります。結婚は出来ないと思ってほしい」
その言葉に、生涯を捧げるのは無理だと思い、辞退させていただいた。
そんな思い出を、ふだん真面目な男性の友人に話したら
「えええ!それって愛人だよ。一人占めじゃないか。だめだよそういうの!」
と、大きな声で叫んだ。
わはははは。好きだなぁ、こういうひと。