not too late

音楽と本と映画と日々⑅︎◡̈︎*

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (西原理恵子)

こんな歳になって、ようやく「お金」に向き合い始めた。

母は、十五歳で故郷を離れ、海千山千。沢山の苦労を乗り越えてきた強い人。

その母に私はいつも

「あんたは欲が無い」

と、嘆かれ、叱咤され呆れられ守られてきたのだと思う。

亡くなる数日前、

「これからお父さんをどうしよう」

と溢した私に

「大丈夫。あんたは小さなお金には困らないように出来ているから」

と、笑った。

 

お金のことを口にするのは、はしたないことだと日本人は考えているらしい。思い当たる。

西原理恵子のこの本は、お金の恐ろしさ、貧乏という環境の辛さから始まる。

世界の至る所で貧困に泣く子供達。

これだけ物に溢れる日本の中に潜む貧しさ。抜け出せない負の連鎖。

でも反面、お金は、自分の大切な人を守り、幸せにして笑顔にしてあげられる良いものでもある。

とも書かれている。

どんな風に使うかは、自分次第。

 

  そのために、お金を稼ぎましょう。

  働くことが、生きることなんだよ。

  それを忘れないで。

 

背筋が伸びる。

「ケチというのはお金をケチるんじゃない。気持ちをケチるんだ」

「どうせ使うなら、生きた金を使いなさい」

母の声が聞こえてくる。

そうだね。誰かを幸せにするために、一生懸命仕事をしよう。

 

 

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