五月が来るたび思い出す映画がある。
それは遠いとおい昔に観た『小さな恋のメロディー』
そして、その映画を思い出すたび聞きたくなるビー・ジーズの『メロディ・フェア』
1971年の上映だから、知る人もあまりいなくなったかもしれない。
父と二人で映画館まで歩いた。映画の内容はあまり記憶にない。ただ、観終わったら外は真っ暗で、振り返らず前を歩く父の背中を、懸命に付いて歩いたことだけ憶えている。
すぐに映画は有名になって、それから何度もテレビなどで上映された。子どもだった私も少しずつ大人になり、映像も音楽ももちろんストーリーも大好きになった。
もう十年以上前になるだろうか。偶然読んだブログに、この映画とトレイシー・ハイドの記事を見つけた。
「五月になれば彼女を」「May comes she will」「若葉のころ」…
音楽のことや映画のこと、ブロガーの思い出話などが楽しくて、毎年五月に更新されるのが待ち遠しかった。
でも、そのブログは2015年1月で更新が無くなったまま。とてもさみしい。
昨日は父の納骨だった。享年七九歳。私を振り返らず前を歩いていた人が、最愛の妻を亡くし、いつの間にか私の後ろを付いて歩くようになっていた。
人には必ず終わりが来るけれど、五月のきらめきは毎年絶えることがない。
五月になれば彼女を…
今年もまた、止まったままのブログを開いて、Bee Geesを聴こう。