ライブに行く前に、斉藤和義19枚目のオリジナルアルバム『Toys Blood Music 』を聴いた。
やっぱり好き。ますます良い。
今までのアルバムも好きだけど、どんどん良くなる気がする。
たとえば、自分にしっくりくる下着があるとする。肌のように馴染み動くそれをもう一枚欲しくなって買いに行くともう新しいデザインに変わっていたりする。
同じものでは売れないのかもしれないし、改良されているのかもしれない。
それを買って帰って着けても、ちがうちがう、これじゃないのと悲しくなる。
斉藤和義は、新しくなっても改良されても、その大好きなものは変わらない。
それは何?と訊かれても簡単に言葉には出来ない"しっくり"なのだ。
カフェに一人でゆっくりしていると、隣のテーブルの話が聞こえてきた。
三十代くらいの女性が、男の人を紹介してもらった話をしている。
二人でご飯を食べて、お喋りもあまり無く、帰り際に連絡先を交換した。家に戻って暫くすると、その人から電話がかかってきたそうだ。
嫌なタイプではないけどいきなり電話は無いんじゃないのと思って、出なかったと言う。
話を聞いていた四十代くらいの女性が
「チュー出来そうな相手なら、もう一度会ってみれば? チュー出来ればその後も出来るよ。その後が嫌でも最初だけだから」
と、笑う。
それじゃあいつまでも恋はできない。
貴女も斉藤和義を聴きなさい。