近くで昼食を済ませようと辺りを探したら、ファミレスとモスバーガーがあった。どちらにしようか迷って、駐車場が空いているモスバーガーに決めた。
店内に入って意外だったのは、お客さんが皆んな大人お一人さま。静かにお昼を過ごしている。私も席に座り、一息ついた。
流れている古い洋楽が心地良く、気になってアプリで調べると、ビートルズの『I've Got A Feeling』という曲だった。次の曲も良くてまたアプリ検索すると、やはりビートルズの『For No One』。
考えてみれば、ビートルズは世代が違うためか、有名な曲以外は知らない。しかも、今まであまり興味が湧いたことがなかった。
ふと、先日読んだ大平一枝さんのコラムを思い出す。
思春期あたりから、ランキング1位になるものが苦手だった。きっとそれは誰にも よくあることで、私は人とは違うのだという自己顕示欲や、若さ特有の自意識の表れによるものだと思う。
そう。ビートルズはあまりに有名で近づかなかったのだ。皆んなが絶賛するものを素直に受け入れられない天邪鬼なのだろう。
そう言えば、私は昔から行列が出来る店に並んだことがない。流行りの服を着たことがない。
もちろん、好きじゃないものもあるけれど、好きか嫌いかを確かめる気持ちも起きないのは、他の人とは違うんだという変なプライドもあったのだろう。
でも、こうやって、誰の曲か知らないで耳に入ってくると"あ、いいな"と思う。
今さら、アルバムを聴いてみようと考える。
いい歳になって、少し素直になってきたのかもしれないね。