ようやくの平日休み。
出かける前にちょっと紅茶を飲んで、前日買った文庫を開けて…気がつくと最後まで読んでしまった。
こんな内容とは知らずに買ったのもあり、本を閉じてなんとも言えない気持ちになる。
個人的な感想を言えば、これは公表して欲しくなかったなぁ…
向田邦子の短編を読んでいつも感じるのは、人は誰もが心の中に秘め事を持っていてそれを誰にも言わず墓に持っていくということ。
そんな人だからなおさら、誰にも見せなかったものは誰にも見せないであげて欲しかった。
世間から見れば不道徳だからとか、そんなことではない。
恋はどんな状況であっても、その人自身であり、一番大切な弱み。
それは、からだが無くなっても、ずっと遺っているような気がする。
それにしても、向田邦子の可愛らしさと健気さ。そして、その想いでも救えなかったせつなさ。
ああ、やっぱり遣る瀬無い。