谷川俊太郎さんの詩は、素晴らしいのだろうけど、感性が衰えた私には難しい。
でも、随筆はとても楽しい。
うんうん、なるほどと共感してみたり、へぇぇ、やっぱり詩人の視点は格別だなと感心してみたり。
生きる歓びについて、ひとり暮らしの弁、愛というもの、恋というもの、死生観、空、花、旅、日常…
そして、日々の暮らしが、案外おちゃめだったりする。
表紙の絵がまた良い。ペンギンが愛らしくて著者に見てえくる。
最近、一人で過ごすことが多くなって、誰もいない家に慣れてきたのか朝まで熟睡している。
気持ちよく目覚めて窓を開け、季節の果物で朝食を作り、『ひとり暮らし』を少し読み、来し方を思い、行く方を見る。
「歓びは快楽とも楽しみとも違って、お金でも買えないし人から貰ったり奪ったり出来るものではなく、いのちの源から湧いてくるものだから、計画が立たない。」
今過ごす朝の時間も、小さな生きる歓びの一つ。
そろそろ本を閉じて、始動。