読みながら家事をしながら、読みながらごはんを食べながら、また次を読みたくなる。
文章もすらすらと読みやすく、合間合間の情景描写や食べ物描写が、たまの息苦しさを緩和してくれる。
人を好きになるってこういうことじゃないかな。と、思う。
この主人公はちょっと行き過ぎかもしれないけど、どこで止まるかは性格にも拠るし、環境にも経験にも拠る。
相手を傷つけるわけじゃなく、相手の平穏を願い、自分が傷つくことも外れることも厭わない。
片想いでも、恋人同士でも、二人が同じだけ"好き"というのは難しい。
どれだけ連絡して、どれだけ逢って、どれだけ抱き合って、どれだけ見つめ合っても、二人が同じように満足していられるわけじゃない。
その割合を認めながら、バランスを保っていく。
誰でも一つくらい我を忘れる恋をしたことがあるんじゃないかな。
痛かったり嬉しかったり、せつなかったり悔しかったり、自分で自分を慰めたり納得させたり。
それが人を好きになるってことなんだと、ずいぶん大人になって分かる。
分かったからって、何歳になっても恋はせつない。
この先、テルちゃんはどうなっていくんだろう。
十年後、二十年後。
少し楽しみ。